Chad Moore Interview

INTERVIEW & WRITING, OVERSEAS

朝日新聞デジタル&Mで、写真家のチャド・ムーアをインタビューしました。

「現実と非現実の境界」を問う写真家の思惑 チャド・ムーアは揺れる感情と愛を撮る

「構図やシチュエーションを作り込んだ作品もあれば、遊んでいる最中に撮っている瞬間もあるよ。例えばこれは、女友達のエラが髪を坊主頭にしたばかりで。“あ、写真撮りたい”って思ったから撮ったんだ。そんなふうに、その時起きたことをありのまま撮った作品もある。だから僕の作品は、現実とフィクションの中間のような感じなんだ。鑑賞する人に『これは実際に起きた現実か、フィクションどっちなのだろう?』って考えさせることができたらうれしい。それが写真の持つ物語性だと思うから」

「僕の人生のすべてがこんな写真みたいだ、なんてことはないよ。でも少なくとも写真には物事を楽観的に思わせたり、そういう気持ちに誘う役割があると思う。写真を通した世界に触れることで、そんなにネガティブにならなくて済むというか。特に今のアメリカの政治状況なんて、トランプ大統領の就任以降、かなりダークではある。だからこそ写真を見ることで、そうした現実より美しい世界に浸ることができるんだ。見た人になにかしら感情の変化を起こさせるものを撮りたいって思っているよ」

撮影:Keta Tamamura/玉村敬太

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